健康に対する不安を適切に処理し、後悔のない行動を選択するための行動指針を明確に定式化します。人間心理として、悪い可能性から目を背けたくなる「正常性バイアス」と、最悪の病態ばかりを想像して疲弊する「破局的思考」の双方が判断を狂わせます。感情ではなく、以下の明確な基準で受診をジャッジしてください。
受診先は、一般内科ではなく「日本皮膚科学会認定皮膚科専門医」または「日本形成外科学会認定専門医」が常駐するクリニックです。これらの医療機関には必ず「ダーモスコープ」と呼ばれる特殊な偏光拡大鏡が配備されており、皮膚を切ることなく、組織内部の色素ネットワーク構造を数十倍に拡大して良悪性を瞬時に鑑別できます。検査に伴う痛みは一切なく、費用も保険適用で1,000円〜2,000円前後、所要時間もわずか数分です。
以下の条件に該当する人は、直ちに専門医の予約を取ることを強く推奨します。
【即座に受診すべき人の条件】
・長径がすでに6ミリメートル以上に達している
・輪郭がギザギザに乱れ、墨汁が滲んだように境界が曖昧である
・黒、茶、濃淡のムラがひとつの点の中に混在している
・爪の生え際から爪先にかけて黒い縦筋が伸びてきている
・1ヶ月以上経過しても黒い点が全く消えず、むしろ面積が拡大している
・出血、浸出液、かゆみ、皮膚の硬結(しこり)を伴う
【1〜2週間の経過観察で様子を見て良い人の条件】
・サイズが1〜2mm程度と極めて小さく、正円や綺麗な楕円を描いている
・色調が一様で均一な黒色または赤黒さである
・重い荷物を持った、手を挟んだなど直近で外傷の心当たりがある
・スマートフォンのカメラで定規を当てて撮影した記録と比較し、拡大傾向がない
経過観察を選ぶ場合であっても、決して自己流の判断に頼り切ってはいけません。撮影した写真を日付とともに保存し、2週間から1ヶ月が経過しても黒い点がターンオーバーによって外側へ移動・脱落してこない場合は、躊躇なく皮膚科へ足を運ぶ姿勢が賢明です。