上白石萌音の体型変化やスタイルの進化を語る上で、決定的なターニングポイントとなったのが世界的大成功を収めた舞台『千と千尋の神隠し』への出演です。2022年の初演から帝劇、さらにはロンドン・コロシアムでの長期公演へと駆け抜けた日々は、彼女の肉体構造そのものを根本から鍛え上げました。
主役の千尋は、上演時間のほぼ全体にわたって舞台上を疾走し、階段を駆け上がり、ダイナミックなアクションを伴いながら感情を声に乗せ続ける超人的な役柄です。演劇関係者の取材記録によれば、1ステージで消費されるエネルギー量はフルマラソンや激しいスポーツ競技に匹敵すると言われています。この過酷な舞台を連日務め上げるため、彼女は専門トレーナーとともに体幹強化と呼吸機能の拡張に徹底して取り組みました。
発声のプロフェッショナルが指摘するように、大劇場や海外のオペラハウスでマイクを通しても埋もれない強靭な声帯を支えるのは、強靭な腹横筋と横隔膜、そして大きく開いた胸郭です。過酷な舞台鍛錬を重ねた結果、彼女の上半身は余分な脂肪が削ぎ落とされると同時に、肋骨周りと背筋がしなやかに引き締まり、結果としてデコルテからバストにかけてのラインが立体的に持ち上がるという劇的な「体型変化」をもたらしました。
また、彼女がこれまでに発表した写真集やエッセイ集(『懐かしい未来』やフォトブックなど)で見せた自然体の素肌感も、ファンの間で深く支持されています。水着などの扇情的なグラビア路線を一切取らず、光と影の陰影や日常のふとした仕草の中で切り取られた背中のライン、しなやかな首筋の佇まいは、「健康的で品がある」「作為のない美しさ」として絶賛を集めました。露出の多さではなく、鍛え抜かれた表現者の身体性がにじみ出た瞬間でした。