「精神疾患を抱えながら会社勤めをしていて、なぜ2級や3級がもらえるのか」という疑問を持つ方は少なくありません。その背景には、厚生労働省が定める明確な判定基準が存在します。
公的な精神障害で働きながら受給できる理由の根幹にあるのが、2016年に運用が開始された「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」です。このガイドラインでは、単に「働いているかどうか」だけで判断するのではなく、仕事の内容、周囲から受けている配慮、勤務時間、さらには帰宅後や休日の疲弊度合いまでを総合的に勘案して等級を判定することが明確に規定されています。
等級ごとに求められる就労状況の基準には、はっきりとした構造的な違いがあります。
障害厚生年金3級の就労要件は「労働に著しい制限を受けること」と定義されています。もともと3級は「働きながら療養すること」を想定して設計された等級であるため、一般企業で時短勤務や軽作業に従事して給与を得ていても、業務に一定の制限が生じていれば堂々と受給できます。
一方、より難易度が高い障害基礎年金2級と仕事の両立では、「日常生活に著しい制限を受けること」が前提となります。2級において就労を両立させるためには、「職場の同僚や上司の手厚いサポートがあるからこそ辛うじて座席にいられる」「業務以外の私生活では家事も入浴もままならず寝たきりになっている」といった、健常者と同等の自立した社会活動とは言えない客観的証拠の提示が不可欠になります。