ネット上の掲示板やSNS、知恵袋などの相談履歴を定点観測すると、「耳の水が抜けずに放置していたら、3日後にズキズキと激痛が走って夜も眠れなくなった」「綿棒で取り除こうとしたらガサガサと音が鳴り、完全に耳が聞こえなくなった」という悲痛な体験談が数多く投稿されています。鼓膜への影響とネットの反応を検証すると、多くのユーザーが「水が鼓膜を破ってしまうのではないか」という極度の恐怖感を抱いている実態が浮き彫りになります。
医学的に言えば、鼓膜は非常に強靭なコラーゲン線維を含む3層構造の生体膜であり、通常のお風呂やプールの水圧で破れることはまずありません。中耳炎などで過去に鼓膜に穿孔(穴)が開いていない限り、外耳道に入った水が鼓膜を通過して頭の中や中耳腔へ入り込む解剖学的経路は遮断されています。恐怖からパニックになり、ピンセットやヘアピン、爪先など硬い器具を差し込んで鼓膜直前を傷つけてしまう事故こそが、現場の医師が目撃する最も悲惨なケースです。
特に配慮を要するのが子供の耳に水が入った時の対処法です。小児の外耳道は成人に比べて短く直線的ですが、直径が非常に細いため、水滴と耳垢が容易に癒着します。子供が「耳が変」「水が入った」と泣いて訴える際、保護者が綿棒で取ろうとすると、子供が不意に動いて綿棒が鼓膜に激突する医療事故が毎年後を絶ちません。子供の場合は決して器具を差し込まず、水が入った側の耳を下にして抱っこし、耳元に温かいタオルを当てて添い寝するのが最善の一次対応です。