適切な時期を過ぎても原始反射の残存が認められる場合、その後の運動機能や日常生活の動作に影響を及ぼすことがあります。
例えば、ATNRが強く残っていると、右を向いただけで右手が勝手に伸びてしまうため、両手で同時に物を持ったり、正中線(身体の中心)で作業したりすることが難しくなります。学童期に入ってからは、黒板を見ながらノートを取る際に首を動かすたびに腕の筋肉がこわばり、書字の乱れや極度の疲労感、集中力の持続困難といったサインとして表れる場合があります。
また、乳児の発達障害(DCD:発達性協調運動障害やADHD)との関連性が近年の研究で議論されているほか、反射の非対称性があまりにも強固で生後6ヶ月を過ぎても解けない場合は、脳性麻痺の初期兆候として現れている可能性も考慮されます。特に手足の緊張が常に強く、抱っこがしにくいといった様子が伴う場合は、専門医による慎重な経過観察が行われます。