大分市中心部は、かつてキリシタン大名・大友宗麟の時代から「府内」と呼ばれ、府内城を中心に栄えた歴史的な城下町です。この「府内」の名を冠した大分市名物和菓子「府内焼き」は、地域の歴史的アイデンティティと庶民のおやつ文化が融合して誕生しました。
全国的には今川焼き、大判焼き、回転焼きなど様々な呼称が存在しますが、大分の府内焼きは単なる名称の違いにとどまりません。生地の配合に独自の工夫が施されており、小麦粉の風味を最大限に引き出しつつ、冷めても固くなりにくい絶妙なしっとり・もっちり食感を実現しています。昔ながらの木型や専用の手焼き台を使い、職人が一枚ずつ丁寧に焼き上げる光景は、現在も城下町大分の風物詩として受け継がれています。