本作において、家庭環境に苦しみながらもゴーディの才能を信じ励まし続けたクリス役のリヴァー・フェニックス。スクリーンから放たれる憂いを帯びた瞳と圧倒的なカリスマ性は、世界中の観客を魅了しました。しかし、映画の結末で「クリスが大人になって弁護士となり、刺殺されて命を落とす」というナレーションが語られたのと残酷なまでに重なるように、リヴァー本人もあまりにも早すぎる死を迎えることになります。
1993年ハロウィンの惨劇と「急性薬物中毒」の真実
リヴァー・フェニックスが命を落としたのは、映画公開からわずか7年後の1993年10月31日未明のことでした。当時ジョニー・デップが共同オーナーを務めていたロサンゼルスの有名ナイトクラブ「ザ・ヴァイパー・ルーム」の店外歩道で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となったのです。享年23という若さでした。
検視当局の公式発表によると、直接の死因はヘロインとコカインの過剰摂取による致死性薬物中毒(いわゆるスピードボール)でした。生前のリヴァーは熱心なヴィーガンであり、環境保護活動や動物愛護運動に情熱を注ぐ「クリーンな青年」としてのパブリックイメージが定着していたため、薬物乱用による急死は世界中に凄まじい衝撃を与えました。
しかし、近年の関係者証言や手記の検証によると、カルト宗教団体「神の子供たち」の信者だった両親のもとで極貧の幼少期を過ごし、幼くして家計を一人で支えなければならなかった重圧、そしてハリウッドの商業主義に対する激しい嫌悪感が、彼を精神的な袋小路へと追い込んでいた実態が浮き彫りになっています。現在も名優として活躍する弟のホアキン・フェニックスは、2020年に長男を授かった際、亡き兄の名を取って「リヴァー」と命名したことで大きな感動を呼びました。