2024年4月に全面施行された医師の時間外労働規制。施行から2年が経った現在、現場には明暗がくっきりと浮かび上がっている。かつてのような「当直明けの連続36時間勤務」といった過酷な勤務形態は姿を消しつつあり、労働環境の改善に向けた一歩は確実に踏み出された。
だが、しわ寄せが消えたわけではない。当直医の交代時間を厳格に守るため、日中の外来や手術のスケジュール再調整を迫られるケースが増えた。ベテラン医師へ負担が偏重する事態や、若手医師が十分な症例経験を積む時間の確保など、新たなジレンマが生じている。理想の労働条件と、目の前の患者を救うという現実の間で、模索は今も続いている。