10代前半で芸能界入りした彼は、瞬く間にスターダムを駆け上がった。岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』で見せた鮮烈な存在感や、社会現象となった連続テレビ小説『ちゅらさん』での好演は、今なお多くのファンの脳裏に焼き付いている。名作の数々は現在もNetflixやNHKオンデマンドなどの配信プラットフォームを通じて若い世代に再発見され、俳優としての確固たる足跡を証明し続けている。
だが、順風満帆に見えた日々の裏で、彼自身の心は激しく軋んでいた。「演じる自分」と「本当の自分」の乖離。用意されたレールの上を走り続けることへの違和感。27歳を迎えたとき、彼はすべてを投げ打つように芸能活動の休業を宣言し、単身アメリカへと旅立った。
待っていたのは自由だけではなかった。アイデンティティの喪失、貯金の底つき、そして原因不明の体調不良。何者でもなくなった日々の暗闇の中で、彼は自らの存在意義をゼロから問い直すこととなる。