ネット検索では「常田大希 井口理 同級生」というワードが頻繁に見受けられますが、厳密な事実関係を紐解くと二人は同じ学年のクラスメイト(同級生)ではなく、小中学校の先輩と後輩の間柄です。
二人の故郷は長野県伊那市。伊那市立伊那東小学校、そして伊那市立伊那中学校を卒業しています。学年が1つ異なるため、教室で机を並べたことはありませんが、中学時代には合唱部に所属し、NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)の長野県大会や東海北陸ブロック大会を目指して共に歌声を響かせていました。当時の伊那中学校合唱部は全国レベルの強豪であり、厳しい練習環境の中で二人は確かな音楽体験を共有していたことが、当時の学校記念誌やローカル報道のアーカイブから確認できます。
その後、常田は県内屈指の進学校である長野県伊那北高等学校へ進学し、井口も同校へ進みます。そして舞台は東京へ移り、国内最難関とされる東京藝術大学音楽学部で運命の再会を果たすことになります。常田はチェロ専攻、井口は声楽科(テノール専攻)という別々の専攻でしたが、渋谷などのジャズバーやライブハウスでセッションを重ねていた常田が「ポップミュージックとして成立させるために、大衆の耳を惹きつける圧倒的な歌声」を求めた際、脳裏に浮かんだのが他ならぬ後輩・井口理の存在でした。
かつての音楽特番インタビューにおいて常田は、「理の声は嫌味がない。どんなにアヴァンギャルドなコード進行や歪んだギターを鳴らしても、あいつが歌えば歌謡曲としての強度を保てる」と述懐しています。単なるビジネスパートナーでもなければ、単なる馴れ合いの友人でもない。幼少期の共通言語と藝大仕込みのハイレベルな音楽理論を兼ね備えた「先輩・後輩」の絆こそが、King Gnuの骨格を形作っているのです。