なぜ日本人はこれほどまでに無人島に心を奪われるのか。その原体験をたどると、独自のテレビ文化に行き着く。
日本テレビの長寿番組『ザ!鉄腕!DASH』では、アイドルグループのリーダーである城島茂らが廃村や無人島を開拓し、ゼロから井戸を掘り、舟屋を建て、生態系を蘇らせる姿を長年見せつけてきた。泥にまみれて瓦を焼き、漂流物から道具を作り出すその泥臭いクラフトマンシップは、視聴者に強烈な開拓精神を植え付けた。
一方で、お笑いコンビのよゐこが出演した『無人島0円生活』は、極限状態をユーモアと即興の知恵で乗り切るサバイバルの面白さを茶の間に定着させた。「獲ったどー!」の叫びとともに繰り広げられたモリ突き漁や野草調理は、過酷な環境をエンターテインメントへと昇華させた金字塔だ。
現在、その熱狂は動画配信の時代へと引き継がれている。Netflixをはじめとするプラットフォームでは、世界各地の過酷な島で極限生活を送るサバイバルドキュメンタリーが相次いでヒットを記録。単なるテレビの企画を超え、自分の力だけで自然と対峙したいという欲求が、視聴者の深層心理に深く刻み込まれている。