結論から言えば、アルコールそのものが直接胆嚢の粘膜を破壊して炎症を起こすわけではない。しかし、飲酒習慣が引き金となって発症リスクを跳ね上げる間接的なルートが存在する。日本消化器病学会の報告や各種疫学研究でも、アルコールと胆嚢疾患の関係は長年議論されてきた。
胆嚢炎の約9割は、胆嚢内にできた結石が胆嚢管を塞ぐことで生じる胆石症に起因する。適量のアルコール摂取は胆汁中のコレステロール飽和度を一時的に下げ、結石形成を抑制するという逆相関データも一部で知られている。だが、多量飲酒となれば話は一変する。医療従事者向け情報サイトm3.comなどに寄せられる臨床医の症例報告を見ても、休肝日なしの過度な飲酒や暴飲暴食の直後に急性胆嚢炎を発症する患者は後を絶たない。
問題はアルコール単体にとどまらず、飲酒に伴う高脂質な食事、脱水、そして生体リズムの急変が重なり合うことにある。知らず知らずのうちに胆嚢内に潜んでいた小さな結石が、アルコールによる刺激で一気に動き出し、出口を塞いでしまうのだ。