かつて政治論議といえば、どこか肩肘を張った議論や街頭演説の熱気に限られていた。しかし、5ちゃんねるをはじめとする匿名掲示板の存在は、政治との距離感を決定的に変えた。政治家のスキャンダルや失言はもちろん、政策の矛盾点までもが容赦なく消費され、独特のインターネット・スラングへと変換される。単なる批判や称賛を超えた「エンターテインメントとしての政治消費」が定着したのだ。
このような匿名空間でのやり取りは、一見すると荒唐無稽で軽薄に映るかもしれない。だが、そこには既存のメディアや政治学者が分析しきれなかった、国民の「皮膚感覚の不満」や「冷めた本音」が凝縮されている。政治を難解なコメンタリーではなく、参加型の「祭り」として消費する文化が、ここには確実に存在する。