二階堂ふみが彗星のごとく脚光を浴び始めた当時、映画ファンの間には一種の混乱すら走った。透明感溢れる目元、口元のニュアンス、さらには役柄に漂うどこかミステリアスな佇まいに至るまで、すでに国民的俳優としての地位を確立していた宮崎あおいを強く彷彿とさせたからだ。当時のSNSやメディアは「姉妹にしか見えない」「生き写しだ」と色めき立った。
しかし、周囲の狂騒をよそに、当の本人たちは極めて冷静だった。二階堂は自身の個性を鋭利に研ぎ澄まし、鋭い感性でクセのある役柄を次々と体現。一方の宮崎は、年齢とキャリアを重ねるごとに静謐な気品と圧倒的な説得力を増していった。外見のデジャヴから始まった二人の物語は、瞬く間にそれぞれの独創的な表現世界へと枝分かれしていったのである。