部屋の育成手腕を語る上で欠かせないのが、看板力士である琴櫻将傑の存在だ。祖父である初代琴櫻の名跡を継承した彼の飛躍は、偶然の産物ではない。個々の力士が持つ得意体型やメンタル面に合わせた、きめ細やかな個別指導の結実と言える。
佐渡ヶ嶽親方の指導法は、単に「稽古量をこなす」という昭和型のシゴキとは一線を画す。ビデオ分析を活用した動作解析や、科学的な筋力トレーニングの導入など、プロスポーツとしての合理性を突き詰めている点が特徴だ。力士一人ひとりの長所を伸ばすアプローチが、関取を次々と生み出す原動力となっている。