そもそもこの楽曲は、作品としての商業的計算を超えた偶然の産物だった。プロデューサーである寺岡呼人が植村花菜の生い立ちや祖母とのエピソードに光を当て、ありのままの事実を隠さず歌詞に落とし込むよう助言したことが誕生のきっかけだ。
装飾をそぎ落とした「あまりにも生々しい私小説風の歌詞」だったからこそ、人々の心を揺さぶった。キングレコードからリリースされたプロモーション盤がラジオで流れるやいなやリクエストが殺到。J-POP市場では異例となる10分近い長尺曲でありながら、音楽産業の常識を覆す大ヒットを記録した。だが、虚飾のない生の実話だったからこそ、主人公の「人間的な弱さや醜さ」までが包み隠さず露呈し、結果として「ひどい」という評価を招く両刃の剣となったのだ。