名高い鉄板焼きの現場において、シェフたちは肉の厚みに応じて火入れの角度やアプローチを微細に調整している。厚切り肉の場合は側面から弱火で脂を溶かし出し、その脂で自らを揚げ焼きにするような高度な技法が用いられる。
ご家庭のキッチンでも、この考え方は十分に応用可能だ。フライパンに出てきた余分な脂をキッチンペーパーでこまめに拭き取りながら焼き進めることで、ギトギトしたくどさを排除し、赤身のクリアな旨味だけを凝縮させることができる。ニンニクやハーブの香りをオイルに移しながら焼くアプローチも、ミスジ特有の野性味のある香りを上品な芳醇さに変える効果的な手法だ。