1985年に刊行された『ぼくらの七日間戦争』は、当時の読書界に激震を走らせた。厳しい校則、偏差値偏重の教育、親や教師による一方的な抑圧。息苦しい日常にノーを突きつけた中学1年生たちが、廃工場に立てこもって自活体制を築き、大人たちを痛快にあしらっていく展開は、子どもたちの鬱屈を鮮やかに解放した。
本作が特異だったのは、決して子どもたちをお行儀の良い「お利口さん」として描かなかった点にある。知恵を絞り、時には大人の弱みや社会の欺瞞を突く戦術を展開する彼らの姿は、従来の児童文学・ヤングアダルト小説の枠組みを根底から覆した。反抗を単なる非行として切り捨てるのではなく、精神の独立を懸けた正当な防衛として描く視点こそ、世代を超えて熱狂を生み続ける核心である。