バーガーキングの店舗数が急速に伸びた要因として、SNSを中心に大きな話題を呼んだ「空き物件募集キャンペーン」の存在を外すことはできません。「バーガーキングを増やそう」と銘打ち、条件に合う物件情報を一般ユーザーから募集し、実際に成約した情報提供者に謝礼金(10万円)を進呈するという前代未聞の取り組みです。
この空き物件募集の真相は、単なる不動産情報の収集にとどまらない、高度なファンエンゲージメント戦略でした。大手不動産仲介の既定ルートでは掘り起こせない優良物件を網羅すると同時に、「自分の街にバーガーキングを誘致したい」という生活者の熱量を可視化させたのです。応募総数は数万件規模に達し、集まったリクエストの密度を需要予測のビッグデータとして出店判断に活用しました。
「自分たちの声で街に店ができた」という当事者意識は、オープン初日から長蛇の列を生み出す強力なロイヤルティへと転化しました。広告宣伝費を抑えながらファンの口コミを起爆剤にする手法は、現代のデジタルマーケティングにおける極めて鮮やかな成功事例といえます。