進路選択において最も現実的な判断材料となるのが、費用対効果と出口戦略です。文部科学省の「私立大学等の入学者に係る初年度学生生徒納付金等調査」および厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の最新傾向から、両者の経済的実態を分析します。
専門学校と短大の学費比較を行うと、短大は文系・家政系を中心に初年度約110万〜130万円、2年間で200万〜250万円程度に収まるケースが一般的です。一方、専門学校は分野による振れ幅が激しく、ITやビジネス系が2年間で220万〜260万円程度であるのに対し、CG・映像、音楽、調理、自動車整備、医療系などは最新機材の維持管理費や実習材料費が加算され、2年間で300万円を超えることも珍しくありません。
続いて「就職率はどっちが高いのか」という疑問についてですが、文部科学省発表の就職状況調査において、短大・専門学校ともに就職希望者ベースで95%〜98%前後の高水準を維持しています。ただし数字の中身には質的な違いがあります。専門学校は「学んだ専門分野の企業への就職率」が極めて高く、学科の領域外への就職は難しくなる傾向があります。短大は専門職に加えて金融・商社・メーカーなどの一般事務職や接客サービス職など、幅広い業種へ柔軟に進路を広げられる点が強みです。
初任給に関しては、厚生労働省のデータによると短大卒・専門学校卒はほぼ同水準(月額約19万〜21万円前後)でスタートします。しかし、履歴書上の学歴フィルターという観点では、大企業の一括採用において「短大卒以上」を条件とする求人に短大生が応募できる一方、専修学校卒を対象外とする企業が一部残存している実情があります。逆に、プログラミングやデザインなどの技術職採用では、学歴区分よりも制作実績(ポートフォリオ)や実技スキルを持つ専門学校生が圧倒的に優遇されるのが現在の採用市場のリアルです。