制度の外側から見れば「保育園代がタダになってずるい」と映る無償化ですが、実際に子どもを通わせている保護者からは「まったくタダではない」という悲鳴が上がっています。
無償化の対象となるのはあくまで「基本保育料(利用料)」のみです。2019年の制度改定に伴い、それまで保育料に含まれていた「副食費(おかず・おやつ代)」が切り離され、月額4,500円〜7,500円程度の実費徴収へと変更されました。これに通園バス代、教材費、保護者会費、延長保育料などが加算されるため、認可園であっても毎月1万5,000円〜2万円近い請求が届くケースは珍しくありません。
さらに認可外保育施設を利用せざるを得ない世帯では、認可外保育園 無償化 上限の壁が立ちはだかります。国の基準では3〜5歳児で月額3万7,000円、0〜2歳児(非課税世帯)で月額4万2,000円が補助上限です。しかし都市部の認可外保育園やインターナショナルプリスクールの月謝は7万〜10万円を超えることも多く、差額の数万円はすべて保護者の自腹となります。
「無償化されたはずなのに家計が楽にならない」と苦しむ当事者と、「税金で丸抱えされてずるい」と非難する周囲との間には、制度のディテールが周知されていないことによる認識の決定的な断絶が存在しています。