日本のメンタルヘルス領域において朝散歩の重要性を広く定着させた精神科医・樺沢紫苑氏が提唱するメソッドは、臨床現場での知見に基づいた非常に実用的なルールで構成されています。多くの人が良かれと思ってやりがちな「長時間の過度な運動」や「遅い時間帯の散歩」を明確に戒めている点が特徴です。
樺沢氏が提唱する黄金律のポイントは主に以下の4点に集約されます。
1. 起床後1時間以内に実行する
起床してから時間が経ちすぎると、体内時計のリセット効果が薄れてしまいます。ベッドから出たらダラダラとスマートフォンを見ず、コップ1杯の水を飲んですぐに外へ出るのが最も効率的です。
2. 歩く時間は「15分〜30分以内」にとどめる
セロトニンの分泌は、歩き始めてからおよそ15分で活性化のピークに達し、30分を超えるとセロトニン神経の自己抑制機構が働き始めます。さらに45分以上の激しい運動になると、かえって活性酸素の発生や乳酸の蓄積を招き、疲労物質が溜まってセロトニン神経が疲弊してしまいます。「少し物足りないくらい」で切り上げるのがベストです。
3. リズムを意識してやや早歩きで歩く
ただトボトボと歩くのではなく、「ワン・ツー、ワン・ツー」と心の中でカウントしながら、背筋を伸ばして一定のリズムで足を踏み出します。呼吸も足の動きに合わせて一定に保つことで、脳幹の縫線核(ほうせんかく)が強く刺激されます。
4. サングラスは外し、日光を網膜で捉える
紫外線対策としてUVカット機能のついた眼鏡や日傘は構いませんが、濃い色のサングラスをかけてしまうと網膜に入る光の量が劇的に低下し、脳が「朝」を認識できません。直射日光を直視する必要はありませんが、自然な視界で青空や風景を見渡すことが必須条件となります。