ラ・ムーの代名詞とも言えるのが、名物の198円弁当と、敷地内のファストフード売店「PAKU-PAKU(パクパク)」で販売されている100円たこ焼き(6個入り・税込100円)です。原材料費の高騰が止まらない状況下において、この価格設定を維持し続けられる背景には、緻密に計算された独自のビジネスモデルが存在します。
激安を実現する最大のコアは、製造から流通、販売までを自社で垂直統合する「製造小売(SPA)型メガディスカウント」の構築です。プライベートブランド「D-PRICE(ディープライス)」をはじめとする商品は、岡山県などにある自社の大規模食品加工センターで原料の一括調達・大量集中加工が行われています。商社や卸売問屋などの中間マージンを極限までカットし、自社専用の物流網で各店舗へ直送することで、流通コストを削ぎ落としています。
店舗運営における徹底的なローコストオペレーションも寄与しています。商品は陳列棚へ一つひとつ手作業で並べるのではなく、納品された段ボールや大型コンテナをそのまま売り場に配置する「ボックス陳列」を採用。POP広告の装飾を省き、店内照明の照度を適正化し、レジ業務の効率化を図るなど、店舗側の作業工数を最小化することで人件費率を一般的な食品スーパーの半分近くまで圧縮しています。薄利多売を極限まで突き詰め、全社規模の圧倒的な販売数量によって利益を確保するメカニズムが機能しているのです。