指定就労継続支援A型事業所を巡る最大の激震は、2026年4月に施行された障害福祉サービス等報酬改定です。この改定を境に、全国各地で数十から百人以上の利用者が一斉に解雇される事業廃止が相次ぎ、地方自治体の議会や報道番組でも連日大きく取り上げられました。厚生労働省の指導監査データや帝国データバンクの倒産集計でも、関連事業者の破綻や廃業件数は過去最多ペースを記録しています。
この問題の引き金を引いたのが、事業所へ支払われる基本報酬を決定する就労継続支援A型スコア方式の改定です。従来の評価制度では、事業所の経営努力が不十分であっても、一定の書類上の要件を満たせば高単価の国費(訓練等給付費)を受け取ることが可能でした。しかし新たな基準では、「利用者が行う生産活動の収支から、利用者の賃金総額をきちんと支払えているか(自立経営ができているか)」を厳しく審査するルールへ転換されたのです。生産活動が赤字で、国からの給付金を持ち出して賃金を補填していた事業所には厳しい減算ペナルティが科されることになりました。
現場取材で見えてきた就労継続支援A型大量閉鎖理由の核心は、長年放置されてきた「給付金ビジネス」の崩壊です。利用者を単なる頭数として集め、簡単な軽作業を形だけ行わせて多額の公費を受け取っていた悪質事業者が、報酬激減に耐えきれず次々と撤退しました。ある地方都市の元事業所責任者は、当時の経営陣の様子を次のように証言しています。「『このままでは毎月数百万円の赤字が垂れ流しになる。事業所を畳むしかない』と、経営会議は紛糾した。一番の被害者は、ある朝突然『今月末で閉鎖です』と告げられた利用者の方々でした」。制度の健全化という大義の裏で、行き場を失った障害当事者の悲痛な叫びが全国で噴出しました。