突如として日常を断ち切られた高校生たちの極限サバイバルを描いた本作。キャスティングを紐解くと、当時の若手実力派俳優たちが持てる熱量を三池崇史監督の過激な演出に全力でぶつけ合っていたことがわかります。登場人物たちの関係性はシンプルでありながら、極限状態における人間の本性を容赦なく抉り出しました。
主人公・高畑瞬(たかはた しゅん)を演じたのは福士蒼汰です。特撮ヒーロー出身の爽やかな正統派イケメンとして世間の注目を一身に浴びていた時期でありながら、本作では「退屈な日常にうんざりしていた平凡な男子高校生」が、生死の境目で知性と土壇場の機転を発揮していくタフな青年像を見事に体現。血飛沫が舞う教室で、呆然自失となりながらも生き残るための決断を下す瞳の揺らぎは、監督の過酷なリテイク要求に応え抜いた当時の福士の覚悟を物語っています。
瞬と対照的な運命を歩む最狂の存在・天谷武(あまや たける)を演じたのが神木隆之介です。子役時代からのクリーンなイメージを鮮烈に打ち破り、暴力と殺戮を心から愉しむサイコパス高校生役に挑戦。「生きる実感」をゲームの破壊行為の中だけに見出す狂気を、冷徹な微笑みと敏捷なアクションで熱演しました。三池監督が当時のインタビューで「神木の笑顔には、天使のような無垢さと底知れぬ狂気が同居している」と絶賛した通り、天谷の存在感は作品の不穏な推進力となりました。
ヒロインの秋元いちか(あきもと いちか)を演じたのは山崎紘菜です。瞬の幼馴染であり、恐怖に震えながらも最後まで瞬を信じて行動を共にする芯の強い少女を演じました。東宝シンデレラオーディション出身の透明感と、泥臭くゲームに立ち向かう気迫のギャップが観客の感情移入を誘いました。
そして物語の序盤、観客に「誰も助からないかもしれない」という絶望を強烈に植え付けたのが、瞬の無二の親友・佐竹秀勝(さたけ ひでかつ)役の染谷将太です。第1のゲーム「ダルマさんが転んだ」において、瞬を生き残らせるために身を挺してボタンを押そうとする自己犠牲の演技は、わずかな登場時間でありながら圧倒的な哀愁を残しました。さらに、瞬に想いを寄せる控えめで心優しい少女・高瀬翔子(たかせ しょうこ)役の優希美青の健気な立ち振る舞いも、凄惨なゲームの陰惨さをより際立たせる見事なアクセントとなっていました。