病気かどうかの境界線を見極める最大の武器は、感覚的な「いつもより多い気がする」ではなく、数値による客観的な定量把握です。小動物獣医学における標準的な臨床データに基づき、愛猫の体重とフードの種類に応じた基準値を整理しました。
学術的な生理指標において、猫が1日に必要とする水分量は体重1kgあたり23〜51mL/日(食事中の水分を含む場合は約40〜60mL/kg/日)とされています。これが体重1kgあたり100mL/日を超えた場合、臨床診断上は完全な「病的多飲」と判定されます。例えば、平均的な体重4kgの成猫が1日に市販の小型ペットボトル1本弱(400mL以上)の水を飲み干している場合、体内で何らかの破壊的な病理プロセスが作動している証拠です。
また、飲水量とコインの裏表の関係にあるのが「尿量」です。「猫 水をよく飲む おしっこ多い」という2つの現象が重なっている場合、正常な尿量(約20〜40mL/kg/日)を大きく逸脱し、50mL/kg/日以上の薄い尿が出続けている計算になります。猫砂にできるオシッコ玉の塊が野球ボールのように巨大化していたり、システムトイレのシートが半日でタプタプに濡れていたりする状態は、明らかな警告サインです。