ネット上の考察掲示板やSNSでは、ハートのキングの未登場に関して数々の都市伝説や誤解が囁かれてきた。ここではそれらの真偽を検証する。
都市伝説1:「ジョーカーの正体=ハートのキング」説の誤謬
物語のラスト、すべてのげぇむをクリアしたアリスの前に現れる謎の存在「ジョーカー」。一部の考察では「ジョーカーこそがハートのキングの変装だったのではないか」という仮説が語られたことがある。しかし、これは明確な誤りだ。
原作者の麻生羽呂氏自身が後のインタビュー等で言及している通り、ジョーカーは今際の国と現実世界を繋ぐ「三途の川の渡し守(カロン)」であり、特定の人間や市民ではない。絵札の市民たちはあくまで人間であり、ジョーカーはその上位に位置する概念的な管理者であるため、ハートのキングと同一視することはできない。
都市伝説2:「残酷すぎて実写化でカットされた」説の検証
ドラマ版を見た視聴者の間では「あまりにグロテスク、あるいは心理的に陰惨すぎてNetflixの倫理規定に引っかかり、映像化を断念したのではないか」という噂が流れた。しかし、実写版では「首が吹き飛ぶ描写」や「温泉での凄惨な銃撃戦」、さらにはハートの7の自死シーンなどを容赦のないクオリティで映像化している。世界最高峰のバイオレンス・サスペンスを描ききった制作陣が、単に描写の過激さを理由にキングをカットしたとは考えにくい。やはり前述した「加納未来との対峙にドラマの焦点を絞る」という作劇上の決断によるものと結論づけるのが妥当だ。