ミドルレンジの脅威を世界に知らしめた歴代のミドルシュート名手たちの技術は、現代の選手たちにも多大なインスピレーションを与え続けています。
元イングランド代表のスティーブン・ジェラードやポール・スコールズは、自著や現役時代の特番インタビューで「シュートを打つ瞬間、強く蹴ろうと考えたことは一度もない。ボールの芯に自分の体重を乗せることだけを意識していた」と述懐しています。力みはスイングスピードを鈍らせ、インパクトのズレを引き起こす最大の敵であることを熟知していた証言です。
日本人選手では、中田英寿の地を這うような強烈なミドルや、本田圭佑がワールドカップの大舞台で見せたブレ球ミドルが歴史に深く刻まれています。2020年代以降の欧州トップシーンでも、マンチェスター・シティのロドリやケヴィン・デ・ブライネ、レアル・マドリードのフェデリコ・バルベルデらが、ペナルティエリア外からの「決定的な一振り」でタイトルを引き寄せてきました。強固な守備戦術が極まった現代だからこそ、局面を一人で解決できるミドルシューターの希少価値は高まり続けています。