ネット掲示板やSNS上で過激なラベルが貼られる最大の引き金となったのは、2021年に発覚した新型コロナウイルス流行下の外出ガイドライン違反だった。当時、日本相撲協会が全協会員に対して厳格な外出自粛や行動制限を求めていた最中、幹部である親方自らが居酒屋への出入りや回遊を重ねていた事実が判明。Yahoo!ニュースをはじめとするWebメディア速報や各紙の一報は角界内外に大きな衝撃を与え、一般社会からの激しい逆風を招く結果となった。
だが、批判の根はそれだけにとどまらない。独占証言や角界関係者の話を紐解くと、現役時代の「ちゃんこ鍋を囲む大らかな昭和の空気」をそのまま令和の指導現場に持ち込んでしまった無頓着さが浮かび上がる。悪気のない放漫さや弟子指導における甘さが、外部の目には「師匠としての責任感の欠如」と映ったのだ。批判の裏側には、急激にコンプライアンス強化へと舵を切った角界の過渡期における、世代間の価値観の激突が潜んでいた。