「非麻薬性だから絶対に依存しない」というネット上の言説は、正しい用法用量を守っている場合にのみ当てはまります。規定量を大幅に超える過剰摂取(オーバードーズ)を行った場合、デキストロメトルファンはNMDA受容体拮抗作用を示し、解離状態や幻覚、浮遊感といった危険な精神変容をもたらします。
SNS上での情報拡散を背景に、現実逃避や精神的苦痛の緩和を目的として市販のデキストロメトルファン含有製剤を大量に一気飲みする若者が急増しました。これに伴い、急性中毒による救急搬送や、精神的依存に陥り自傷行為・社会生活破綻に至るケースが深刻化しています。
事態を重く見た厚生労働省は医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく指定を強化し、デキストロメトルファン含有製剤を「濫用等のおそれのある医薬品」に位置づけました。現在、ドラッグストアでは原則として「1人1箱までの販売制限」、若年購入者への身分証確認、薬剤師・登録販売者による購入理由のヒアリングが厳格に義務付けられています。