しばき隊およびその周辺組織が社会から厳しい視線を浴びる決定打となったのが、いわゆる「しばき隊事件の経緯」において象徴的な、2014年に大阪で発生した「十三事件(エム亭事件)」です。
報道資料や裁判記録によると、大阪・十三の飲食店「エム亭」において、運動に関わっていた大学院生の男性が、組織幹部らから数時間にわたり激しい私的制裁(暴行)を受け、顔面骨折などの重傷を負いました。被害者はかつてカウンター活動を支援していた身内でありながら、SNS上での意見の食い違いや組織批判を理由に激しい吊し上げを受けたのです。この事件は後に民事訴訟へと発展し、裁判所は暴行を加えた中心人物らに対し民事上の不法行為責任を認め、損害賠償の支払いを命じる判決を下しました。
さらに、幹部陣が事件の隠蔽を図ったとされる音声記録や手記が流出したことで、支持者コミュニティに決定的な亀裂が生じました。「差別反対という崇高な正義を掲げながら、内部では異論を暴力で排除するのか」という失望の声が内部関係者からも相次ぎました。当時を知るしばき隊歴代メンバーや賛同者の中には、自著やブログ上で「反差別を名分にした同調圧力と精神的リンチが横行していた」と告白し、運動から完全に身を引く者が続出しました。
加えて、地方紙「新潟日報」の報道部長(当時)がTwitter(現X)の匿名アカウントでしばき隊シンパとして弁護士らへ誹謗中傷を繰り返していた問題など、過激な個人攻撃が次々と明るみに出たことで、運動のモラルは社会的信認を完全に喪失していきました。