「違法にアップロードされた漫画だと知っていても、ダウンロードせずにブラウザ上でストリーミング閲覧するだけなら警察に捕まらない」――SNSやネット掲示板でまことしやかに囁かれてきたこの言説に対し、法曹界および捜査関係者の見解は極めて冷徹です。違法漫画見るだけ逮捕の真相を探ると、法律の文面上の形式論と、現実のサイバー捜査の運用実態との間にある危険な乖離が浮き彫りになります。
現行の著作権法改正ダウンロード罰則(2026年1月施行)において、刑事罰(2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方)の対象となるのは「違法にアップロードされた有償著作物であることを知りながら、反復・継続してダウンロード(複製)する行為」と規定されています。現時点の条文上、単なる画面閲覧(ストリーミング)それ自体に直接の刑事罰が科される事例は極めて稀であることは事実です。
しかし、技術的な現実は法律の解釈ほど都合よくできていません。ブラウザが画像を表示する際、端末のストレージ内には一時ファイル(キャッシュデータ)が自動生成されます。特定の高機能ビューアや悪質なサイト構造下では、このキャッシュ保持が実質的なローカル保存と同一視され、意図せぬ「私的使用目的を超えた複製の幇助」とみなされる法的リスクが指摘され続けています。
さらに見過ごせないのが、改正プロバイダ責任制限法(情報流通プラットフォーム対処法)の運用定着です。通信ログの開示ハードルが劇的に下がった現在、違法配信インフラのIPアドレスにアクセスしたログは、ISP(プロバイダ)側に厳格に記録されています。違法海賊版サイトのサーバーが国際押収された際、アクセスログが押収資料として解析され、特定個人が捜査機関のリストアップ対象となる漫画違法サイト閲覧リスクは、もはや絵空事ではありません。