ドビーの言動は、物語を通じて「差別と偏見に抗う勇気」を一貫して体現していました。元主人のルシウスに対して毅然と言い放った「ドビーにはご主人様はいません。ドビーは自由なしもべ妖精です!」や、ハリーの危機に際して発した「ドビーは友達を助けに来たのです」といったセリフは、作中を代表する名言として語り継がれています。
原作小説では、ドビーの存在がハーマイオニー・グレンジャーの思想に決定的な影響を与えた点も見逃せません。第4作『炎のゴブレット』において、屋敷しもべ妖精たちの過酷な労働環境に憤慨したハーマイオニーは、権利向上を目指す団体「屋敷しもべ妖精福祉振興協会(S.P.E.W.)」を設立しました。
他の妖精たちが長年の隷属意識から解放を恐れるなか、ホグワーツの厨房で唯一、給料と休暇をもらって誇り高く働いていたのがドビーでした。ハーマイオニーが夜な夜な編み上げた手作りの帽子や靴下を、ドビーだけが満面の笑みで嬉しそうに身につけていたというエピソードは、原作ファンにとって忘れられない温かな名場面です。