豚肉の角煮を雑味なく、料亭のような洗練された味わいに仕上げるためのステップを順を追って解説します。
1. 豚バラブロックの下茹でと臭み消しの鉄則
購入した豚バラブロック肉(約600〜800g)は、加熱によって約2〜3割縮むことを計算し、4〜5cm角の大きめにカットします。フライパンで表面全体に焼き色をつけて香ばしさを出す工程も有効ですが、油分を極限まで減らしたい場合はそのまま下茹でに入ります。
圧力鍋に肉を入れ、肉が完全に浸るたっぷりの水、長ネギの青い部分(1〜2本分)、薄切りにした生姜(1片分)、酒(大さじ2)を加えます。ネギの精油成分(アリシンなど)と生姜のジンゲロンが豚肉特有の脂臭さを包み込み、揮発させてくれます。フタをして強火にかけ、圧力がかかったら弱火にして15〜20分加圧し、火を止めて圧力が完全に抜けるまで15分以上放置(蒸らし)します。
ピンが下がったらフタを開け、肉を流水で優しく洗い流して表面に付着した余分なアクと凝固した脂を取り除きます。下茹で汁には大量の酸化した脂が溶け出しているため、思い切ってすべて廃棄するのが臭みを残さない最大の秘訣です。
2. 旨味を凝縮させる調味料の黄金比
下茹でを終えて柔らかくなった肉に、初めて味を染み込ませる本調理に入ります。黄金比率は以下の分量が基準となります。
- 水または和風だし:300ml
- 酒:100ml
- みりん:50ml
- 砂糖(三温糖やザラメが理想):大さじ3
- 醤油:大さじ4(本調理時に大さじ3、最後の煮詰めで大さじ1)
3. 大根を煮崩れさせない投入タイミング
圧力鍋で大根を一緒に煮込む場合、下茹で段階から肉と一緒に入れてはいけません。下茹での高圧に大根が耐えきれず、完全に溶けてドロドロになってしまいます。大根(厚さ2.5〜3cmの輪切り、面取りと隠し包丁を入れたもの)は、本調理の加圧時(加圧時間8〜10分程度)に初めて肉と一緒に鍋へ投入するのが鉄則です。
4. 照りを引き出す「フタを開けての煮詰め方」
本調理の加圧と減圧が完了した時点では、肉は柔らかくなっているものの、見た目は薄色で煮汁もサラサラしています。ここからフタを開けた状態で中火〜弱火にかけ、10〜15分ほど煮汁を煮詰める工程が仕上がりを左右します。
仕上げの段階で残りの醤油(大さじ1)やみりん(少量)を回し入れ、スプーンで煮汁を肉の表面に何度もかけながら泡が細かくなるまで煮詰めることで、砂糖とみりんの糖分がカラメル化し、美しい照りと深いコクが生まれます。