あいみょんが放つ言葉は、日常の匂いと剥き出しの感情を帯びている。『マリーゴールド』をはじめとする名曲群が世代を超えて愛されるのは、普遍的なメロディの奥に潜む生々しい体温ゆえだ。
対する尾崎世界観は、クリープハイプのフロントマンとして邦楽ロックの最前線に立ち続ける傍ら、小説『母影』で芥川賞候補に選出されるなど、純文学の世界でも確固たる評価を築いた。聴き手の耳に爪痕を残すハイトーンボイスと、人間の暗部を鋭敏に射抜く散文的リアリズム。この対照的な個性が引き寄せ合った背景には、言葉という表現手段への妥協なき飢えがある。