そもそも「かむながら(神行・神ながら)」とは、自分の意図や企みを差し挟まず、神の意のまま、自然の道理に従って生きることを意味する。過剰な演出や自己アピールを常に求められる芸能人にとって、この概念は救いとして機能しているのかもしれない。
作品ごとに異なる人格を演じ分ける俳優や、常に大衆の評価に晒されるアーティスト。彼らが求めているのは、飾り立てられた自己ではなく、削ぎ落とされた本来の自分だ。ある人気シンガーソングライターはラジオ番組で「作詞で行き詰まったとき、自分が作るのではなく『降ってくる』感覚を待つ。それこそが『かんながら』の境地かもしれない」と語り、大きな共感を呼んだ。