一方で、加熱した検証作業の中には、明らかな「誤解やこじつけ」が大量に含まれていた点も看過できません。炎上がピークに達した2016年後半から2018年にかけては、伊藤綾子が投稿するあらゆる画像や文章に二宮の影を見出す「確証バイアス」がネット全体に蔓延しました。
例えば、彼女がカフェで飲んでいたスムージーの色、友人と出かけた旅先の風景、空の雲の形までもが「嵐の楽曲の歌詞を連想させる」「二宮のロケ地と近い」と結び付けられ、炎上の燃料にされました。実際には、セント・フォース所属の女性アナウンサーが日常的にアップする標準的なキラキラ女子投稿であったものまで、すべてが意図的な匂わせとして断罪された側面があります。
ネットの集合知は高い特定能力を持つ反面、一度ターゲットをロックオンすると無関係な偶然すら悪意ある作為と解釈してしまう暴走性を孕んでいます。伊藤綾子のケースは、実際に意図的と見做されても仕方のない明白なシグナルが複数あったがゆえに、無関係な日常投稿までがすべて「有罪」と判定されてしまった代表例と言えます。