ネット上のQ&Aコミュニティや法学部の講義などで「人は誕生日の前日に1つ歳をとる」という話を聞き、都市伝説ではないかと疑ったことのある方も多いはずです。しかし、これは明確な法的根拠に基づいた紛れもない事実です。
日本における年齢の計算は、明治35年(1902年)に公布された「年齢計算ニ関スル法律」および民法第143条によって厳格に規定されています。法律の世界では、期間を計算する際に「起算日(初日)を算入しない」という初日不算入の原則がありますが、年齢の計算に限っては生まれた日を1日目としてカウントする「初日算入」が定められています。
そして、民法第143条第2項の規定により、期間は「起算日応当日の前日の終了(午後12時=24時)」をもって満了します。すなわち、10月15日生まれの人の1年間は、翌年10月14日の午後12時(24時00分)に終了するため、法的には「誕生日前日の終了時(午後12時)に1歳年をとる」ことになります。24時00分は実質的に翌日午前0時00分と同じ瞬間を指しますが、法律上の厳密な帰属としては前日扱いとなるのです。
このルールが生活に直接関わる代表例が、学校教育における早生まれの満年齢計算です。学校教育法第17条では、保護者は「子が満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初め」から小学校に就学させなければならないと定めています。学年の初めは4月1日です。ここで、4月1日生まれの子どもを考えてみましょう。
4月1日生まれの子が満6歳に達するのは、法律上「前日である3月31日の終了時」となります。したがって、「満6歳に達した日の翌日」はまさに4月1日当日となり、同日にスタートする新学年への就学義務が発生します。その結果、4月1日生まれは3月31日生まれまでと同様に「早生まれ(前の学年)」に組み込まれるという、法的なからくりが存在しているのです。