かつての一重咲きはどこか素朴な野草の趣を残していた。しかし、日本の育種家たちが情熱を注いだ結果、一変する。幾重にも重なる花弁を持つ八重咲きトルコキキョウの登場である。まるで大輪のバラやシャクヤクを思わせる豪華絢爛なシルエットは、花業界の常識を覆した。
この劇的な変化は、国内外の生花・園芸産業に巨大なインパクトを与えた。豪華でありながらトゲがなく、水揚げが良い特性は、長時間のイベントやブライダル装花にうってつけだったのだ。1輪入るだけで全体に立体感と品格が生まれ、現代のフラワーデザインには欠かせない主役へと上りつめた。