医師の残業時間規制、いわゆる「働き方改革」の本格運用から時間が経過し、地方の基幹病院は新たな局面に直面している。当直明けの勤務インターバル規制や代休の義務化は、医師の健康を守る一方で、慢性的な人手不足に拍車をかける諸刃の剣だ。特に地方都市では、代わりの医師を確保することが極めて難しい。
現場の医師からは「書類仕事や調整業務に追われ、本来の患者と向き合う時間が削られている」との悲痛な声も漏れる。この課題に対し、タスク・シフティング(業務の移管)が急ピッチで進められている。看護師や医療クラークへの権限委譲を進めることで、医師が最前線の治療に集中できる環境づくりが模索されているのだ。しかし、システムが機能するまでにはまだ時間がかかる。