東京都大田区出身の片桐はいりは、成蹊大学文学部日本文学科に進学。活字や文学に親しむ学生生活を送るかたわらで、運命的な演劇との出会いを果たします。大学在学中に劇作家・銀粉蝶らが旗揚げした劇団「ブリキの凹み」へ参加し、本格的に舞台女優としての第一歩を踏み出しました。
アングラ演劇の熱気が色濃く残る1980年代初頭の小劇場ブームにおいて、彼女の放つ異様な存在感と確かな演技力はすぐさま演劇関係者の目を引くことになります。デビュー当時の舞台では、身体全体を使ったエネルギッシュなパフォーマンスとシュールな世界観を自在に行き来し、若手舞台女優の中でも際立った異才として名を馳せていきました。この劇団時代に培われた柔軟な身体表現と空間掌握力こそが、後の映像作品で魅せる唯一無二の芝居の土台となっています。