アーカイブ資料や当時の制作スタッフの証言を現代の視点から再検証すると、田原節子という一人のクリエイターが持つ圧倒的な先鋭性が浮き彫りになる。彼女が手がけた初期の映像プログラムには、被写体の本質を容赦なく暴き出すリアリティが宿っていた。
スタジオでの打ち合わせでは、周囲のベテラン男性社員を相手に真っ向から議論を戦わせたという秘蔵エピソードが残っている。権威に与さず、現場の空気感をそのまま画面に焼き付ける手法は、当時の業界関係者を驚愕させた。現存するわずかな貴重映像からも、そのレンズ越しに向けられた視線の鋭さがはっきりと伝わってくる。