惣流・アスカ・ラングレーという複雑怪奇なキャラクターに命を吹き込んだのは、声優の宮村優子です。アスカの感情の起伏、耳をつんざく絶叫、そして内に秘めた壊れそうな脆さは、宮村の鬼気迫る名演なしには成立し得ませんでした。
テレビ版後半から旧劇場版にかけての収録は過酷を極め、宮村自身がアスカの精神状態に引きずられ、日常でも精神的な負荷を感じるほど役と同化していたことがインタビュー等で語られています。特に旧劇場版のラストシーンでは、首を絞められるアスカの苦痛と感情を表現するため、シンジ役の緒方恵美が実際に宮村の首元に手を添えて演技を引き出したという逸話は有名です。
『新劇場版』シリーズにおいても、式波としての異なる立ち位置や28歳相当の精神年齢を持つアスカを演じ分け、最終作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に至るまで、アスカという稀代のヒロインの歩みを最後まで魂を込めて演じ切りました。