数ある派閥の中でも、抜きん出た組織力と強大な影響力を誇るのが新義安と14Kという二大勢力だ。軍隊的な指揮系統と強烈な血族経営で知られる新義安は、長年にわたり香港のエンターテインメント界や不動産業界にまでその根を伸ばしてきた。数万人規模の構成員を抱えるとされ、その企業化された組織構造は他のクライムファミリーの追随を許さない。
一方、14Kは国民党将校によって設立された経緯を持ち、より分散型で好戦的な性質を帯びている。各セルが独立して活動する柔軟性を持つため、警察の摘発を受けても組織全体が崩壊しにくいという特徴を持つ。両者は時に血で血を洗うナワバリ争いを繰り広げ、時に共通の利益のために手を組みながら、香港のみならず東南アジア、北米、ヨーロッパに至る世界的な流通網を共有してきた。