アスリートの妻にとって最大のエッセンシャルワークは「食」だ。異国での食材確保や、連戦による疲労回復を狙った栄養学的な配慮。彼女は渡米前からアスリートフードに関する知識を深め、アメリカの過酷な遠征期にも柔軟に対応できる献立を作り上げてきた。
特にマウンドでのメンタルコントロールが命運を分ける先発投手にとって、自宅が完璧なリセット空間であるかどうかは生命線となる。彼女がつくり出す温かな家庭の空気感と、愛息を育む母としての表情が、殺伐とした勝負の世界から戻った左腕の心を一瞬で解きほぐす。彼女の献身は、数字には表れない防御率の引き下げに間違いなく貢献している。