ひし美ゆり子の魅力の根源は、その美貌だけでなく、一切の嘘や虚飾を排した生き様そのものにあります。それを如実に物語るのが、彼女が上梓した一連の自伝・エッセイ作品です。
代表作である自伝『セブン-セブン-セブン―アンヌよ、永遠に…』や『万華鏡の女―女優ひし美ゆり子』では、東宝時代の裏話や特撮現場の過酷な撮影秘話にとどまらず、自身の恋愛遍歴や結婚生活、女優としての苦悩や葛藤までが包み隠さず赤裸々に綴られています。
昭和の銀幕スターにありがちだった神秘主義とは対照的に、失敗や弱さもすべてさらけ出す誠実な筆致は、読者に深い共感と勇気を与えました。自らの人生を誇らしく、そしてユーモアを持って肯定するその姿勢こそが、長年にわたって熱烈なファンを惹きつけてやまない最大の理由です。