館内は大きく分けて「平安の間」「宇治の間」「映像展示室」「企画展示室」で構成されています。エントランスを抜けると、光と影を巧みに使った幻想的な空間が広がり、一瞬にして千年の時を遡るような感覚に包まれます。
最大のハイライトの一つが「平安の間」に設置された実物大の復元牛車(ぎっしゃ)と、光源氏の邸宅を精密に再現した縮尺50分の1の「六条院模型」です。当時の貴族たちが身につけていた装束の色彩や調度品の精緻な意匠は圧巻で、教科書の挿絵では味わえない立体的なリアリティがあります。
続く「宇治の間」では、光源氏没後の物語である「宇治十帖(うじじゅうじょう)」に焦点を当てています。薫、匂宮、そして悲運のヒロイン・浮舟が織りなす切ない恋模様が、和紙と光のアートインスタレーションを通じて情緒豊かに表現されています。
さらに見逃せないのが、映像展示室で定期上映されているオリジナル映画『浮舟』やアニメーション作品です。人形劇や美麗な実写映像を駆使して宇治十帖のハイライトを描き出しており、事前知識がなくても物語のドラマ性に引き込まれます。約20分間の上映時間は、展示巡りの理解を何倍にも深めてくれる必見コンテンツです。