富士山は何県?山頂は静岡でも山梨でもない境界未定の真相と最新事情

富士山は何県?山頂は静岡でも山梨でもない境界未定の真相と最新事情

富士山は何県?山頂は静岡でも山梨でもない境界未定の真相と最新事情についての真相を徹底解説します。

山頂がどちらの県にも属さない理由を語る上で欠かせないのが、「山頂はそもそも誰の土地なのか」という所有権の歴史だ。実は、富士山の8合目以上の広大なエリアは国有地ではなく、静岡県富士宮市に本宮を構える「富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)」の私有地(境内地)である。

山頂が神社の私有地となった契機は、慶長11年(1606年)に遡る。関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康が、勝利祈願の成就に対する御礼として富士山8合目以上の支配権を浅間大社に寄進した文書が残されている。江戸幕府もこの権利を認め、江戸時代を通じて山頂は霊山としての聖域が保たれてきた。

明治維新を迎えると、新政府の「社寺上地令(しゃじあげちれい)」によって山頂部は一時的に国有地へと編入されてしまう。しかし戦後、神社側が土地の返還を求めて国を提訴。1974年の最高裁判決によって浅間大社の所有権が法的に認められ、財務省による手続きを経て2004年に約385万平方メートルの土地が無償譲渡・登記された。現在、最高地点の剣ヶ峰(標高3,776m)や火口周辺を含め、旧富士山測候所の敷地など一部の公用地を除くほぼ全域が浅間大社の神聖な境内となっている。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。