けん玉における「宇宙遊泳」は、玉を持ってけんを大きく振り出し、遠心力によって空中で円軌道を描かせたのちに再び玉やけんでキャッチするダイナミックな空中技です。その難易度は中級者から上級者への登竜門と位置づけられており、日本けん玉協会の認定技やけん玉検定の技一覧においても、技術と見栄えの双方で高い評価を受ける象徴的なトリックとなっています。
しばしば混同されがちなのが、海外発祥のフリースタイル用語である「スペースウォーク」との違いです。本質的な物理挙動は同じですが、伝統的な日本けん玉協会における宇宙遊泳が静から動への滑らかな円軌道と規定フォームの美しさを重視するのに対し、現代のストリートシーンで呼ばれるスペースウォークは、指の周りを回転させるスピン系や連続コンボへの接続など、自由でアクロバティックな展開を含む呼称として使い分けられる傾向があります。
かつて国際宇宙ステーション(ISS)で行われた無重力の宇宙実験でも、けん玉は科学教材として注目を集めました。地上では重力と遠心力の絶妙な均衡によって成立する宇宙遊泳ですが、まさにその名の通り「無重力空間を漂う天体」のような浮遊感を表現できる点こそが、プレイヤーを虜にする最大の魅力です。