『特命戦隊ゴーバスターズ』の物語を伝説たらしめているのが、第1話から一貫して描かれ続けた「13年前の事件の決着」を描く最終版のプロットです。
かつて転送研究センターごと異空間(亜空間)へ飛ばされた両親や研究員たちを救出するという目的のために戦い続けてきたヒロム、リュウジ、ヨーコ。しかし中盤、両親らは既にデータ生命体・メサイアのバックアップとして肉体を失い、概念として吸収されていたという残酷な真実を突きつけられます。「両親を救う」戦いから、「これ以上の犠牲を出さぬため、自らの手で親たちの残滓を完全に消滅させる」という使命への転換は、特撮史に残る重厚なドラマとなりました。
そして最終決戦、アバターとして現実世界に留まっていた陣マサト(ビートバスター)は、現実世界へ戻るためのデータ復元が不可能な状態に陥ります。陣は自らの命を賭してメサイアのカードを内部から破壊する決断を下し、相棒であるバディロイド・ビート・J・スタッグに「お前を残して逝く」別れを告げます。
感情を持たないはずのアンドロイドであるJが、消えゆく陣の意思を継ぎ、沈黙とともに戦い抜く姿、そしてヒロムたちが涙を呑んで「13年間の特命」を完遂するラストシーンは、多くのファンの涙を誘いました。単なる悪の撃破ではなく、喪失を受け入れて未来へ歩み出す若者たちの成長譚として、今なお語り継がれる完璧な幕引きです。